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ひとりひとりが動くためのノウハウを集めたサイト 「りぼん・ぷろじぇくと2016」のブログです。

立憲主義と日本の国益【6.7】

行政トップの総理大臣や官房長官は、権力をふるうときには、「日本は法治国家なのですから、法律にしたがって、粛々とことを進めるだけだ」と言います。しかし、憲法学者の大多数、憲法審査会に呼ばれた憲法学者3人全員が、国会で議論されている「集団的自衛権」は完全に憲法に違反していると明言すると、「学者がそう言ったとしても、合憲だと考えている」と強弁します。

 集団的自衛権が違憲だとすれば、現在国会で議論されている安保関連の法案すべてが違憲です。これほど明らかな憲法違反をもし無視して法律を成立させるようなことがあったら、それは日本が、憲法にもとづいて法体系を構築するという立憲主義を全面的に否定する政治体制の国であると世界に向けて宣言することになります。それがどれだけ日本の信用を傷つけ、国益を損なうか想像もつきません。

 日本弁護士連合会は何度も会長声明を出して、集団的自衛権の違憲性を訴え、立憲主義に基づく政治運営を求めてきました。憲法学者も同様の声明を出しました。裁判官たちは、立場上、政治的な発言ができませんが、知り合いの裁判官によると、大多数の裁判官は、今回の法案が通過したら、この国の立憲主義は完全に破壊され法曹界全体にモラルハザードが起こるのではないかとずっと心配していたそうです。ここに来てやっと違憲性についての議論が前面に出てきたのを見て、法律関係者は痛快な思いをしているのではないでしょうか。

<K.I./教師@東京都在住>
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